LOG.2 大地の記憶
虫
- 命を拒むぐらい無機質な素材と超高度な技術によって世界が出来ているように見えながら、実は内部を知能の欠片もない虫が食い荒らしているかもしれない、というぞくぞくする描写
- <蛆の館にて>に近いぞくぞくさ
- 対比が面白い。虫たちも、落ちて引きちぎれてもあっさりしていてぜんぜん痛そうじゃない。
- もともとは完全変態するはずの種が、羽化する能力を失って、幼虫のままひたすら食べて脱皮して肥大化するだけのライフサイクルになったように見える。ネオテニー(幼形成熟)感というか。
蝶のような羽や口器があってもこの世界じゃ役にたたないし。 - 後で出てくる、監視者とは繋がりがあるのだろう?遺伝子工学的に同じルーツだったりして?
- 基本、虫は嫌いだがこのシーンは好き。
犬女登場
- 到着間際に機械腕をはめてることに気づいたのは3周目ぐらい。
- 外してるほうが楽なんだろうな
- 手に持ったコフィンがもうかっこいい。ジェットエンジンを参考にデザインされたらしい。
- 実はここで広告業界で有名?な3B (Beauty, Baby, Beast)がそろっている。
そりゃ印象に残るわけだ。 - この犬女の正体はいまでも論争が絶えない…。自分もここは正体を決めないほうが世界観が広がって面白いなと思う。(and so onの仮説もおもしろいけど)
- 表情が霧亥に似てる1コマがある。
遺伝子チェック
- 東亜重工の階層でシボが使っていたルーペ型の遺伝子検査機よりもかなり大型なことは面白い。生電社の技術力なのか、精密検査用なのか…?
- 遺伝子の収録ということは、アーカイブからネット端末遺伝子を再現しようとしてるということは推測できる。
- 10番と11番以外に変異なし、ということは、変異なしの10番と11番をすでに持っていたら再現可能?染色体単位なら差し替えても遺伝子って動作するようにできてる気がするし。
(まちがってたらすいません) - ただ、ネット端末遺伝子はたぶん高度にセキュリティが施されてると思うので、単純な差し替えだけでは、生命を動かすための遺伝子としては動作しても、ネットスフィアへの接続は無理な気がする。
- おそらくネット端末遺伝子は、最低でも接続用ハードウェアを肉体に発生させるための共通部分と、接続”端末”である個人を特定するためのID&認証用情報の2部分で構成されてると思うんだけど、それらが暗号化されたうえで、全染色体の”ジャンク領域”に格納されてると思う。だから、違う人同士の正常な部分を単純に合わせただけでは復号化できず、接続はできないんじゃないかな?
- 非公式超構造体の接続器から「ある程度正常な遺伝子なら接続できる」ということは、すべてが結合されたうえで暗号化されているわけではなく、一部はヘッダーというか、全員の共通キーとして格納されているのかもしれない。「090-」から始まる番号ならなんでもOK、的な。
- 接続用ハードウェアの発生には成功してても、認証部分でコケてると不正アクセスとしてセーフガードに怒られるのだろうか。たぶん、たまに接続用ハードウェアだけ発生できちゃう子が生まれてしまうんだろうね… そして集落全滅。
ハードコピー
- 本を取られても執着がないのがクール。
- 自分のなかでは 「大地」というのは誤訳で、正しくは「地球」なのではないかとちょっと思ってる。
- 「暗くなる」というのは、あの細い天井のすきまのうえに超構造体があり、明滅してることを示唆してるのだろうか。
(よく見ると、空を見上げる犬女と犬に対し、霧亥はまったく動かず前方を見つめ続けている) - 「平盤」とは、超構造体の下面のこと?それとも、下面に接してる空洞の下面?(生電社の”屋上”に相当)
- そして無視を決める霧亥超クール。
- 犬女はどこへ降りていくのだろう?という余韻と共に終わるのがいい。
LOG.1 ネット端末遺伝子
無機質な谷を渡る2人
- BLAME! の世界を象徴している一枚。
- イトマキエイが2匹飛んでることに気づいたのは3周目になってから。 実はセーフガードの成りそこないだったりして?
- インディージョーンズの最後の聖戦のような構図。
向こうからやってくる人
- ずっと勘違いしてたけど、この人たぶん珪素生物じゃないと思う。
目に有機的な感情があるし、あまりにも軽々しく捨てられる。
全巻通して仲間からそんな扱いを受けた珪素生物いない気がする。 - かなりアグレッシブな身体改造をした普通の人間。珪素生物たちの使い走りで、なんらかの利益は受けてたんじゃないかなとは思う。成功報酬は身体パーツとか?
- それか、珪素生物の中でも改造部位を制限されたor財力が足りない、「下級市民」的な存在なのかもしれない。
あるいは、戦士タイプじゃないのかも?
珪素2人組
- この2人も夫婦だったりして?
- 女型のほうは、目が猫と同じく瞳孔の括約筋が縦長。やっぱり非常に感度の高い網膜を持っていて明るいところだと瞳孔を細めて保護しているのだろうか?たしかにBLAME!みたいな暗い世界では役に立ちそう。
巨大ダニ型戦闘兵器
- もうここほんと好き。
- ダニの生体的な形は本当に独特。バイオ兵器感。
- しかもそれを朽ちさす。しかも中に死んでミイラ化しかけた元操縦者がいるのがもうほんとたまらん。乾燥ミイラじゃなくてたぶんこの死体湿ってて柔らかいと思う。
ハンドルマン階段
- 自分の中ではハンドルマンと勝手に命名
- BLAME!の中でもここ以外に人間の宗教を感じさせる場面はないと思う。なにへの崇拝なんだろう?機械を作った祖先?少なくともこれを立てたのは建設者ではないはず。
- 階段脇で人々がたき火してるんだよねぇ。この階層では、人と珪素生物が共存してるのかも?あるいは、実はこれらも珪素生物?(東亜重工内のように)
- 巨大ダニロボ、ミサイルをお腹から撃ってるけど、この腹囲の発射孔リングがほんとかっこいい。
- 霧亥、ここで女型珪素の視界を奪ってから、重力士放射線射出装置奪ってるんだよね。しかもナタ! 無骨でシンプルでいて実に有効で、霧亥の積んだ場数を感じさせる。
繭を解く
- かわいそうに。この子、細胞的には生きてはいるけど、もうただの「組織」か「臓器」と同じになってるのだろう。目的地につくまで保存できるように。
- 2人組はどこに届けようとしてたのだろうか? リンベガのところ?「殺す前にネット端末遺伝子を確認などしない」と言っていた東亜重工内の珪素とは明確に行動原理が異なるように見える。珪素生物内にも考えの異なる複数の派閥が?感染をできるだけ広げるグループと、感染を免れた遺伝子を収集するグループ。最終的な目的はカオスの拡大ではあるけど、明らかに手段・戦略が対立してて、リンベガのグループが異端のような気がする。
シャキ
サクッ