LOG.4 統治局
水分補給
子供
- 霧亥に渡した「食料」ってなんなのだろう?食べ物よりはずっと機械部品に見える。
- この子、上位セーフガードの中でも相当挙動が変わっている。霧亥になんら実力的な干渉を加えるつもりがないように見える。
- 与えられた使命が「人間の排除」だけだからだろうか?
- 最初に頭を、次に体を撃たれて吹き飛んでるが、「セーフガードの外殻素材をぶっこわすのは無理」とLOG.5で言及がある。この形態での耐久度は人間なみなのだろう。
3人組
- 事情を知らずにこの階層へ来た霧亥(人間)をセーフガードから守り、再び近づくのをやめさせようとする、という行動をとっているはずなのに、悪者に見える不思議。子供殺しや他人の荷物を奪って捨てるという表面的な行動に簡単に人間って騙されちゃう。
- 人間か”統治局”かを「目」で区別してる?あとのシーンでは、子供の目の放射状のラインが強調されてるようだが…?
- 「こいつは間違っている」という言い方がとても面白い。5000階層=1階層最低3mとして少なくとも15km下の地底から来た、というのを聞いて「嘘つきだ」ならともかく、「間違いだ」という反応。霧亥がふざけて言ってるわけではないことは認めてるのだろう。
子供の復讐
- 造換塔アクセスし放題。
- おいたわしや。
- セーフガードとしての形態を発現させずに3人を仕留めている。強いて言えば、S字の脊椎と指先がわずかに特徴を帯びているぐらい?本性を現す前の人間形態時のサナカンもこれぐらいの動きは難なくできそう。
- 3人の武器の着弾痕の半径がやたら広い。これはちょっと食らいたくない。普段戦っている相手の硬さが想像できる。
- 終わったあと霧亥に「ニィ」と笑いかけたりして、やっぱり変な上位セーフガード。さすがの霧亥もこれには冷や汗をかいていている。
- 重力子放射線射出装置は、霧亥が死体を漁ったのだろうか?子供があの一瞬の間に女から抜き取って返したのか?後者だと「ニィ」がとても面白い。
ラストページ
- ページをめくると、すでに「40階上」に到達しているカットになる。干されている洗濯物から集落にたどりついたことはたぶん間違いないだろう。このあと何が起きるのか、静かでありながら非常に不安にさせる終わり方。
- BLAME!はコマとコマの間でそこそこ長い時間が経ってることがあって、しかもよく見ないと分からない。その時間の流れ方もたまらなく魅力。
EX-LOG [01]
EX-LOG
- そもそもEX-LOGのEXとはなんだろう?
- EXtra、つまり追加のログ。物語の本筋からはすこし離れた、さまよう霧亥の寄り道エピソード。
- EX-、つまり旧・ログ?実は物語の本筋が始まるより前のエピソード。こちらのほうが想像が広がって面白いは面白い。
死体
- 脳から大量の神経ファイバーが伸びていて、アーマー後頭部の内側には、かつての接続孔が多く見えている。(さすがに髪ではないと信じたい笑)
- 生きていたころ、正面から見たときにどう見えていたのだろうか?
- 彼は何者だったのだろう?すぐあとに出てくる、二の腕のと同じエンブレムの入った施設とはどういう関係なのだろうか?
ズーム
- 未修復の霧亥
- 後に3000km先を軽々目視できたことを考えるとこのシーンはとても感慨深い。
- 最大倍率23000。もはや光学望遠鏡の領域を飛び越えてる気がする。
- すごく自信のない計算をしてみたけど、100km先ぐらい?
そうだとしたら、東京から富士山にある小さい扉のエンブレムを見つけて、そこに向かって歩くという相当酔狂なことをしている。
施設
- 扉の開け方が豪快。むちゃくちゃすぎる。
- かの有名な「シャキ サク」はここで発せられた。
- この施設、珪素生物が自分たちのために建設したものではなく、占拠して幼生の生産施設に転用した場所なように思える。
- ”ベビーシッター”が既存の生産ラインと珪素生物を結合したような特殊な形態になっているのはそのため?また、培養ポッドがあまりにクリーンで珪素生物たちの”趣味”に合わないようにも思える。もとは人間用の培養槽だったのだろうか?
- ということは、先ほど倒れていた死体は、ここを襲撃されたときに逃げ出した元警備兵?扉の外にあった多くの弾痕のように見える穴も、その跡なのだろうか?
LOG.3 テクノ遊牧民
遊牧民
- 劇場版のモデルになる話かもしれない?
- 登る2人の背景、黒い影になっている巨大ビルがもうほんと大好き。BLAME!は建物が主役といわれる良い例。
- この2人のスーツはそのあとのいろんなスーツの原型といってもいいと思う。
監視者
- BLAME!の世界のなかでも特に異質な存在だと個人的に思う。
こいつはなんなんだろう?遺伝子工学のにおいは感じるが、統治局やセーフガードといったこの世界のシステムの関与のにおいがまったくしないというか。 - 形態にヒトの原型が残っている。もともとヒトをベースにしたバイオ兵器のなれの果てかもしれない。
- スズメバチ的な生態だろうか?単純にナワバリ意識で人間を襲撃しているように見える。
- 廃棄されたバイオ工学施設から逃げ出したなにかが…的な。本来こういう存在こそがシステムから駆除されるべきだが、ネットスフィアが混乱している状況下で完全に生き延びてしまって生活圏を確保してしまっている。そういう意味で、珪素生物とはまた違う方向性で、カオスの産物だとも言えるかもしれない。
- シドニアにも言えることだが、本来精密な物理学に基づいて工学的に制御しないとできないことを生物的に再現してしまってる系の存在の凄味というか不気味さ。
遊牧民の居留地
- 砂浜をキャッキャウフフしながら走る男女の映像に毎回笑いそうになってしまう。
- 遊牧民たちのスーツにあるマーク。ここ以降2度と登場することはないが、東亜重工とはまた異なるなにかの企業組織(移民船?)の末裔なのだろうか。あまりこういう解釈をするのは好きではないが、打ちあがるロケットとその噴煙を抽象化した図案に見える。
- 霧亥がたびたび自分にプスっと刺してる小型の薬剤はなんなのだろう。ナノマシンなのだろうか?
自己修復促進剤? - 「とんだ捨い物だったな」の言葉遊び
監視者の襲撃
- ページを飛ばしがちだけど、よく見ると親を殺された子が笑っていたり、台車を押してる男の首が飛んだり、実はけっこうキツイ場面
- 監視者が霧亥に後ろからパイプで刺されるシーン、スターシップトゥルーパーズのあいつを思い出してしまう。それにしても、霧亥がほんとむちゃくちゃなことがよくわかる。
- 監視者を葬る遊牧民たちの粒子砲、これがほんっとカッコいい。シンプルな砲身+ゴテゴテした周辺ユニット+大量のエネルギー供給ケーブル+警告ストライプ+細い粒子+直進+貫通という、すべてのツボを押さえた逸品。これを超える武器は以後の作品を通しても出てきてないのではないだろうか?(※個人の感想です)
霧亥の襲撃
- この”巣”も実に異質でイイ。人間の”思考基底”とはまったく異なるが、畏怖してしまうぐらいの知性があると思いたい。それこそ「あまりに異質で理解できない」けれど。
- 巨大な知性を重力子放射線射出装置で吹っ飛ばす快感。
- 霧亥、爆風からヨナを庇う。そして、無口な男はただただ黙って去るのみ。彼が守ったコミュニティ、女の子が気づいたころにはもういなくなってる。ワビ、サビ。
- 淡々と歩いていく霧亥の表情はぜんぜん読み取れない。
(陳腐な言い方になってしまうけれど)能面のように表情を欠くからこそさまざま感情を読み取れてしまう。
LOG.2 大地の記憶
虫
- 命を拒むぐらい無機質な素材と超高度な技術によって世界が出来ているように見えながら、実は内部を知能の欠片もない虫が食い荒らしているかもしれない、というぞくぞくする描写
- <蛆の館にて>に近いぞくぞくさ
- 対比が面白い。虫たちも、落ちて引きちぎれてもあっさりしていてぜんぜん痛そうじゃない。
- もともとは完全変態するはずの種が、羽化する能力を失って、幼虫のままひたすら食べて脱皮して肥大化するだけのライフサイクルになったように見える。ネオテニー(幼形成熟)感というか。
蝶のような羽や口器があってもこの世界じゃ役にたたないし。 - 後で出てくる、監視者とは繋がりがあるのだろう?遺伝子工学的に同じルーツだったりして?
- 基本、虫は嫌いだがこのシーンは好き。
犬女登場
- 到着間際に機械腕をはめてることに気づいたのは3周目ぐらい。
- 外してるほうが楽なんだろうな
- 手に持ったコフィンがもうかっこいい。ジェットエンジンを参考にデザインされたらしい。
- 実はここで広告業界で有名?な3B (Beauty, Baby, Beast)がそろっている。
そりゃ印象に残るわけだ。 - この犬女の正体はいまでも論争が絶えない…。自分もここは正体を決めないほうが世界観が広がって面白いなと思う。(and so onの仮説もおもしろいけど)
- 表情が霧亥に似てる1コマがある。
遺伝子チェック
- 東亜重工の階層でシボが使っていたルーペ型の遺伝子検査機よりもかなり大型なことは面白い。生電社の技術力なのか、精密検査用なのか…?
- 遺伝子の収録ということは、アーカイブからネット端末遺伝子を再現しようとしてるということは推測できる。
- 10番と11番以外に変異なし、ということは、変異なしの10番と11番をすでに持っていたら再現可能?染色体単位なら差し替えても遺伝子って動作するようにできてる気がするし。
(まちがってたらすいません) - ただ、ネット端末遺伝子はたぶん高度にセキュリティが施されてると思うので、単純な差し替えだけでは、生命を動かすための遺伝子としては動作しても、ネットスフィアへの接続は無理な気がする。
- おそらくネット端末遺伝子は、最低でも接続用ハードウェアを肉体に発生させるための共通部分と、接続”端末”である個人を特定するためのID&認証用情報の2部分で構成されてると思うんだけど、それらが暗号化されたうえで、全染色体の”ジャンク領域”に格納されてると思う。だから、違う人同士の正常な部分を単純に合わせただけでは復号化できず、接続はできないんじゃないかな?
- 非公式超構造体の接続器から「ある程度正常な遺伝子なら接続できる」ということは、すべてが結合されたうえで暗号化されているわけではなく、一部はヘッダーというか、全員の共通キーとして格納されているのかもしれない。「090-」から始まる番号ならなんでもOK、的な。
- 接続用ハードウェアの発生には成功してても、認証部分でコケてると不正アクセスとしてセーフガードに怒られるのだろうか。たぶん、たまに接続用ハードウェアだけ発生できちゃう子が生まれてしまうんだろうね… そして集落全滅。
ハードコピー
- 本を取られても執着がないのがクール。
- 自分のなかでは 「大地」というのは誤訳で、正しくは「地球」なのではないかとちょっと思ってる。
- 「暗くなる」というのは、あの細い天井のすきまのうえに超構造体があり、明滅してることを示唆してるのだろうか。
(よく見ると、空を見上げる犬女と犬に対し、霧亥はまったく動かず前方を見つめ続けている) - 「平盤」とは、超構造体の下面のこと?それとも、下面に接してる空洞の下面?(生電社の”屋上”に相当)
- そして無視を決める霧亥超クール。
- 犬女はどこへ降りていくのだろう?という余韻と共に終わるのがいい。
LOG.1 ネット端末遺伝子
無機質な谷を渡る2人
- BLAME! の世界を象徴している一枚。
- イトマキエイが2匹飛んでることに気づいたのは3周目になってから。 実はセーフガードの成りそこないだったりして?
- インディージョーンズの最後の聖戦のような構図。
向こうからやってくる人
- ずっと勘違いしてたけど、この人たぶん珪素生物じゃないと思う。
目に有機的な感情があるし、あまりにも軽々しく捨てられる。
全巻通して仲間からそんな扱いを受けた珪素生物いない気がする。 - かなりアグレッシブな身体改造をした普通の人間。珪素生物たちの使い走りで、なんらかの利益は受けてたんじゃないかなとは思う。成功報酬は身体パーツとか?
- それか、珪素生物の中でも改造部位を制限されたor財力が足りない、「下級市民」的な存在なのかもしれない。
あるいは、戦士タイプじゃないのかも?
珪素2人組
- この2人も夫婦だったりして?
- 女型のほうは、目が猫と同じく瞳孔の括約筋が縦長。やっぱり非常に感度の高い網膜を持っていて明るいところだと瞳孔を細めて保護しているのだろうか?たしかにBLAME!みたいな暗い世界では役に立ちそう。
巨大ダニ型戦闘兵器
- もうここほんと好き。
- ダニの生体的な形は本当に独特。バイオ兵器感。
- しかもそれを朽ちさす。しかも中に死んでミイラ化しかけた元操縦者がいるのがもうほんとたまらん。乾燥ミイラじゃなくてたぶんこの死体湿ってて柔らかいと思う。
ハンドルマン階段
- 自分の中ではハンドルマンと勝手に命名
- BLAME!の中でもここ以外に人間の宗教を感じさせる場面はないと思う。なにへの崇拝なんだろう?機械を作った祖先?少なくともこれを立てたのは建設者ではないはず。
- 階段脇で人々がたき火してるんだよねぇ。この階層では、人と珪素生物が共存してるのかも?あるいは、実はこれらも珪素生物?(東亜重工内のように)
- 巨大ダニロボ、ミサイルをお腹から撃ってるけど、この腹囲の発射孔リングがほんとかっこいい。
- 霧亥、ここで女型珪素の視界を奪ってから、重力士放射線射出装置奪ってるんだよね。しかもナタ! 無骨でシンプルでいて実に有効で、霧亥の積んだ場数を感じさせる。
繭を解く
- かわいそうに。この子、細胞的には生きてはいるけど、もうただの「組織」か「臓器」と同じになってるのだろう。目的地につくまで保存できるように。
- 2人組はどこに届けようとしてたのだろうか? リンベガのところ?「殺す前にネット端末遺伝子を確認などしない」と言っていた東亜重工内の珪素とは明確に行動原理が異なるように見える。珪素生物内にも考えの異なる複数の派閥が?感染をできるだけ広げるグループと、感染を免れた遺伝子を収集するグループ。最終的な目的はカオスの拡大ではあるけど、明らかに手段・戦略が対立してて、リンベガのグループが異端のような気がする。
シャキ
サクッ